おはようございます。
「カジュアルに異性と出会える」
がモットーの街コン。
実際、どんなものなんだろう?という人が正直多いと思います。
今回は、私の体験談などもベースにして街コン物語を作ってみました。
参考になればいいなぁと思います!
第21話
着信の主は、安藤さんだ。どうしよう・・。
「ん?どうしました?」
と、宮田さんが不思議そうな顔で私の顔を覗き込む。
「あ、い、いやちょっと。あの・・。」
「なんか、電話鳴ってますよ?僕の事気になさらず、電話取ってきてください!」
「もしかしたら、お友達の凄く大事な用事かもしれないし!」
宮田さんからは「誰から?」なんて質問も特になかった。
もし、「誰から?」と聞かれたらどうしようかと焦った。
本当に、こんな時でも私の事を気遣ってくれてなんていい人なんだろう・・。
宮田さんの株が、更に上がってしまった。
「ご、ごめんなさい・・。ちょっとだけ、電話してきます。」
そう言って、恐る恐るトイレに向かう。罪悪感に苛まれながら。
ああ。何やってるんだろうか。私。
一人の人に、ちゃんと絞って頑張った方が相手に対しても誠実さが伝わるんじゃないかな?やっぱり・・。
でも、正直まだ安藤さんに対しても本気で好きかどうかと言われるとわからない部分がある。
やはり、もうちょっと会って相手の事をよく知らないと・・。
「ごめんね。急に電話しちゃって。なんか、声が聞きたくなってさ。いま、何してたの?外が騒がしいんだけど。外?」
声が聞きたいと連絡くれるのは、正直嬉しい。
だけど、「いま、何してたの?」と、私の行動を検索するような発言に、煩わしさを思う自分もいた。
私って勝手な女なんだろうか。
電話くれるのは嬉しい。だけど、自由の行動は管理されたくないのだ。
こんな女が「彼氏が欲しい」「結婚したい」なんて間違っているのだろうか?
それでも、一人になるのは嫌なのだ。
子供だって欲しいし、今の仕事が崖っぷちだからずっと働き続けるのは無理だし。
今の仕事辞めたとしても、私の年齢から正社員雇用探すのは難しそうだし。
それに、老後は孤独死なんてしたくない。
それに。
元彼の事を早く忘れたいし。。
すべて、私のエゴみたいなもので婚活してるのだ。
こんなことで、もう一度誰かを愛せるのだろうか?
誰かの為に尽くしてあげたいだなんて、思えるのだろうか?
もしかして、無理して誰かを好きになろうとしてない?私・・。
ぐるぐると、私の中で色んな思いが駆け巡る。
「電話ありがとう・・。いま、ちょっと友達と飲んでるんだ。ごめんね。ま、また電話するね。」
私を思ってくれる人に、ほんの少し嘘をつく。
こんな事、今まで一度もしたこと無い。
なんだろうか。この罪悪感・・。
「もう安藤さんでいいんじゃないの?」
と、思う反面、宮田さんの事も捨てがたい。だけど・・。
こんな事をずっと繰り返してはいけない。
それでも、私の心が迷い続ける限りは終われないのだ・・。
つづく